「二塁は、どっちが見るんだ?」——三人制審判で初めて塁審に入ったとき、僕が一番あせったのがここでした。
一塁側にも三塁側にも塁審がいる。ところが、二塁の近くに入るのは基本的に一人だけです。試合前は分かったつもりでも、走者が出てアウト数が変わると、頭の中の早見表がきれいに消えます。
パパコーチ三人制審判の二塁担当をInstagramで紹介

Instagramでは早見表を中心にまとめました。ここからは、現場で表を開けないときでも判断できるように、見る順番、具体例、僕が失敗しかけた場面まで掘り下げます。
まず覚える言葉|U1・U3と「中に入る」の意味
| 呼び方 | 意味 |
|---|---|
| PU | 球審。ホームベースを担当する審判 |
| U1 | 一塁側の塁審 |
| U3 | 三塁側の塁審 |
| 中に入る | 塁審がファウルライン外側の定位置から内野内へ移り、二塁のプレーを見られる位置につくこと |
この記事では分かりやすさを優先して「一塁側の塁審」「三塁側の塁審」と書きます。審判講習ではU1・U3と呼ばれることが多いので、両方を結びつけておくと説明を聞きやすくなります。
二塁はどっちが見る?3ステップで判断

ステップ1:一塁に走者がいるか
一塁走者がいれば、三塁側の塁審が二塁付近へ入る——これが一番多く、最初に覚えたい場面です。アウト数は問いません。一塁、二塁、一・二塁、一・三塁、満塁でも、一塁に走者がいるなら三塁側が中へ入るのが基本です。
ステップ2:一塁走者なしで、二塁に走者がいるか
一塁が空いていて二塁に走者がいるときだけ、アウト数を確認します。ここが初心者のつまずきやすい分岐です。
ステップ3:0・1アウトか、2アウトか
- 0・1アウト:一塁側の塁審が中へ入る
- 2アウト:三塁側の塁審が中へ入る
二塁走者だけ、または二・三塁の場面でこの分岐を使います。「2アウトだけ三塁側」と覚えると整理しやすいです。
パパコーチ走者・アウト数別|二塁担当の早見表
| 走者 | 0・1アウト | 2アウト |
|---|---|---|
| 走者なし | 2人とも外 | 2人とも外 |
| 一塁 | 三塁側 | 三塁側 |
| 二塁 | 一塁側 | 三塁側 |
| 三塁 | 2人とも外 | 2人とも外 |
| 一・二塁 | 三塁側 | 三塁側 |
| 一・三塁 | 三塁側 | 三塁側 |
| 二・三塁 | 一塁側 | 三塁側 |
| 満塁 | 三塁側 | 三塁側 |
なぜ一塁走者がいると三塁側の塁審が入る?
一塁側の塁審には、けん制、打者走者の一塁到達、フェア・ファウルなど一塁周辺で重要な仕事があります。そこで一塁側を外に残し、反対側の三塁側塁審が二塁付近へ入り、盗塁やフォースプレーに備えます。
たとえば一死一塁で投手が投球した瞬間、走者がスタート。捕手から二塁へ送球されます。このとき中へ入った三塁側塁審が、タッグと走者の二塁到達を角度をつけて判定します。一塁側塁審は「二塁が気になる」と内側へ寄らず、一塁で起こるプレーに備える。役割を分けるから、2人が同じ場所へ集まりません。
二塁走者だけの場面でアウト数を見る理由
二塁走者だけの場面では、一塁側を中へ入れる配置と、三塁側を中へ入れる配置をアウト数で切り替えます。これは次に起こりやすいプレーと、各塁審をどこへ備えさせるかを整理するためです。
0・1アウト:一塁側が中へ
犠打や内野ゴロで打者走者が一塁へ向かい、二塁走者が三塁を狙う場面が考えられます。一塁側塁審が内側から二塁周辺を見られる位置につき、三塁側塁審は三塁のプレーに備えます。
2アウト:三塁側が中へ
2アウトでは打球と同時に走者が動きやすく、一塁で第3アウトが起きる可能性も高まります。一塁側塁審を外に残し、三塁側塁審が二塁側へ入る配置になります。
僕が失敗しかけた3つの場面
1.走者を見ていたのにアウト数を忘れた
二塁走者だけの場面で「一塁はいない、二塁はいる」までは確認できたのに、アウト数が頭から抜けました。相手の塁審が中へ動いたのを見て、僕も半歩動き、2人とも戸惑う形に。投球前にボール・ストライクより先に、アウト数と走者を指で確認する癖をつけてから減りました。
2.二塁担当だから二塁だけを見てしまった
「自分は二塁」と思い込むほど、打球を追わず走者だけ見てしまいます。ところが、判定に必要なのはボール、守備者、走者が重なる瞬間です。打球の方向と仲間の審判の動きを見失うと、誰が外野フライを追ったのかも分からなくなります。
3.迷って止まり、二塁に近づきすぎた
近ければ見やすいと思いがちですが、ベースへ詰めすぎるとタッグの全体が見えず、送球を避ける余裕もなくなります。必要なのは近さより角度と停止。プレーの前に位置を取り、判定の瞬間は頭と目線を安定させます。
パパコーチ試合前に2人で確認したい5項目
- 採用するメカニクス:大会・連盟独自の決まりがあるか
- 走者別の初期位置:特に二塁走者のみ、二・三塁の場面
- 外野フライの分担:誰が追い、残った審判がどこをカバーするか
- ローテーション時の声:「行く」「残る」「三塁」など短い合図
- トラブル時の相談方法:判定前後に誰が集まるか
僕は試合前に「一塁走者がいたらそちらが中、二塁だけで0・1アウトなら僕、2アウトならそちらですね」と声に出して合わせます。たった20秒ですが、試合中に目が合って2人とも固まるより、はるかに短い時間です。
三人制審判の二塁担当でよくある質問
塁審が2人なら「二人制審判」ではないのですか?
球審を含めて数えるため、球審1人+塁審2人は三人制審判です。一般に二人制審判は球審1人+塁審1人を指し、立ち位置やカバー範囲が大きく違います。
一塁走者がいるとき、アウト数は関係ありますか?
二塁付近へ入る塁審を決める基本判断では、アウト数にかかわらず三塁側の塁審が中へ入ります。一塁走者の有無を最初に確認してください。
走者が二塁だけなら、どちらが中へ入りますか?
0・1アウトなら一塁側、2アウトなら三塁側の塁審です。二・三塁でも同じ分け方になります。
走者が三塁だけなら誰が二塁を見ますか?
投球前の基本位置では、両塁審とも外側に残ります。ただし打球後のローテーションやプレーの展開で担当は変わるため、二塁を「誰も見ない」という意味ではありません。
この早見表はすべての少年野球大会で同じですか?
基本メカニクスとして参考になりますが、大会、連盟、審判部、グラウンド条件で取り決めが異なる場合があります。必ず当日の責任審判や大会要項を優先してください。
まとめ|一塁→二塁→アウト数の順なら迷いにくい
- 球審1人+塁審2人は「三人制審判」
- 一塁走者がいれば、三塁側の塁審が二塁付近へ入る
- 一塁走者なし・二塁走者ありは、0・1アウトなら一塁側、2アウトなら三塁側
- 走者が三塁だけなら、基本位置は2人とも外側
- 「二塁担当」は固定所有ではなく、投球前の位置と主な責任
- 大会・連盟の取り決めと試合前の打ち合わせを優先する
審判は、全部を暗記している人だけが立てる場所ではありません。確認の順番を持ち、仲間と声をかけ、プレーの前に準備する。その積み重ねで、少しずつ落ち着いて見られるようになります。僕もまだ、試合前には早見表を見ます。それでいいと思っています。
参考資料
※本記事は審判メカニクスの理解を助けるための解説です。公式規則そのものだけでなく、審判員の位置取り・ローテーションに関する実務を扱っています。実際の試合では所属連盟・大会の指示に従ってください。
