「週210球? 来年から投手とキャッチャーを兼ねられない?」——最初に見たとき、僕も正直びっくりしました。
ルールだけを並べると、人数の少ないチームは回るのか、投げられる子が足りるのかと心配になります。でも公式資料を読み直すと、変更の中心にあるのは「試合を難しくすること」ではなく、成長期の子どもの肩や肘へ負担を集中させないことでした。
パパコーチInstagramで紹介した学童野球のルール変更

一枚で全体を見られるのは便利ですが、SNSでは「学童」と「少年」の対象が混ざって伝わりやすいところがあります。特に2027年の試合時間2時間は少年部(中学生)の変更です。小学生の学童部が一律2時間になる、という意味ではありません。
まず確認|いつ、誰のルールが変わる?

| 時期 | 対象 | 変更・確認ポイント |
|---|---|---|
| 2026年 | 学童 | 1日70球+1週間210球。4年生以下は1日60球+1週間180球 |
| 2027年 | 学童 | 同じ試合で投手と捕手の兼任を禁止 |
| 2027年 | 少年(中学生) | 試合時間を2時間へ見直し(従来2時間30分) |
| 関連ルール | 学童・少年 | 投球間隔は走者なし12秒、走者あり20秒 |
2026年から|1日だけでなく1週間の球数も見る
従来の「1日70球以内(4年生以下は60球以内)」に、2026年から1週間210球以内(4年生以下は180球以内)が加わりました。公式通知では、投球過多による障害を予防するための取り組みと説明されています。

たとえば、5・6年生の投手が土曜日に68球、日曜日に70球を投げると、2日間で138球です。どちらの日も1日70球以内ですが、その週はすでに138球を投げています。連休や大会が続く週は、次の登板を「今日70球まで投げられる」とだけ考えず、週の累計から組み立てる必要があります。
パパコーチ上限に達したら、打者の途中でも即交代?
JSBBの投球数制限では、試合中に規定の球数へ達した場合、その打者が打撃を完了するまで投球できるとされています。ただし、週の集計方法や大会独自の記録方法まで自己判断せず、当該大会の要項を確認するのが安全です。
投球間隔12秒・20秒|焦って投げるための数字ではない
投手は、走者がいなければ12秒以内、走者がいれば20秒以内に投球に関連する動作を始めます。これは試合のテンポを整えるルールです。「子どもを急かして雑に投げさせる」という意味ではありません。
- 走者なし:12秒以内
- 走者あり:20秒以内
2026年改訂では、規定時間が経過してタイムを宣告された後に投球した場合、その後のプレーは無効でも、学童部・少年部・女子大会では投球数に数える取り扱いが明記されています。実際の宣告や計時は審判の役目なので、応援席から秒数を数えて声を上げる必要はありません。
2027年から|投手と捕手を同じ試合で兼任できない
2027年から学童部では、同じ選手が一つの試合で投手と捕手を兼ねることが禁止されます。投手だけでなく、捕手も肩や肘への負担が大きいポジションであることを考慮した変更です。

| 交代例 | 2027年の扱い |
|---|---|
| 投手 → 捕手 | 不可 |
| 捕手 → 投手 | 不可 |
| 投手 → 他の守備 → 再び投手 | 可能 |
| 捕手 → 他の守備 → 再び捕手 | 可能 |
ここは誤解されやすいところです。投手を降りたら、その試合ではもう投手へ戻れないというルールではありません。投手と捕手の間を行き来することが禁止されます。投手が捕手以外の守備へ移って再び投手へ戻ること、捕手が投手以外の守備へ移って再び捕手へ戻ることは、公式資料で可能とされています。
「2027年から試合時間2時間」は少年部の変更
公式の変更一覧では、試合時間を従来の2時間30分から2時間へ見直す対象は少年部(中学生)です。学童部(小学生)の一律変更として書くのは正確ではありません。
学童の大会には、もともと大会ごとの試合時間やイニング制限が設けられている場合があります。「2027年から小学生も全部2時間」と決めつけず、出場する大会の要項を見ましょう。
現場で起きそうな変化を、パパコーチ目線で考える
エース一人で連戦を乗り切る考え方が難しくなる
今までも一人へ投球を集中させない配慮は必要でしたが、週の上限が明確になると、先発だけでなく二番手、三番手の準備がさらに大切になります。交代した直後に四球が出たり、失点したりすることもあるでしょう。それでも、その経験を渡さなければ次の投手は育ちません。
捕手を複数育てる必要がある
2027年からは「投手と捕手を入れ替えてしのぐ」という起用ができません。人数が少ないチームほど、練習の段階から二人目の捕手へ捕球、送球、声かけを経験させる必要があります。ルール変更の直前になって慌てるより、今から少しずつ試すほうが子どもにも無理がありません。
保護者の一言で、交代後の子どもを追い詰めない
ベンチの判断には、その日の球数、週の累計、肩や肘の状態、次の試合、捕手の配置など、応援席から見えない事情があります。投手交代で流れが変わったとき、僕自身も「もう少し投げさせても」と思ったことはあります。でも、勝敗だけで判断せず、「次の投手も準備してくれてありがとう」と見られるほうが、子どもは挑戦しやすくなります。
保護者がシーズン前に確認したい5つ
- 出場大会はJSBBのルールを使うか、独自の特別規則があるか
- 投球数を誰が記録し、試合をまたいでどう共有するか
- 練習試合の球数も、チームでどのように管理するか
- 2027年へ向けて投手・捕手を複数育てているか
- 子どもが肩や肘の違和感を言いやすい雰囲気があるか
確認するときは「違反していませんか?」と詰めるより、「投球数はチームでどう管理していますか。私にもできる手伝いはありますか?」と聞くほうが話しやすくなります。
学童野球のルール変更でよくある質問
週210球は、月曜日から日曜日まで数えるのですか?
公式通知は1週間の上限を定めていますが、集計期間や記録の引き継ぎ方法は大会運用の確認が必要です。曜日の区切りを自己判断せず、所属連盟・大会本部へ確認してください。
70球へ達した瞬間に交代しますか?
JSBBの取り扱いでは、試合中に規定投球数へ達した場合、その打者が打撃を完了するまで投球できます。大会独自の取り扱いがないかも要項で確認してください。
2027年から、投手を降りたら再登板できませんか?
投手が捕手以外の守備へ移り、再び投手へ戻ることは可能です。禁止されるのは、同じ試合で投手と捕手を兼ねることです。
学童の試合も2027年から2時間になりますか?
公式一覧で2時間への見直し対象になっているのは少年部(中学生)です。学童部の試合時間は大会要項を確認してください。
まとめ|覚えるためではなく、子どもを守るためのルール
- 2026年から学童は1日70球+1週間210球、4年生以下は60球+180球
- 上限へ達した打者は、打撃を完了するまで投球できる
- 2027年から学童は、同じ試合で投手と捕手を兼任できない
- 2027年の試合時間2時間は少年部(中学生)の変更
- 実際の試合では大会要項と地域の特別規則を優先する
親がルールブックを丸暗記する必要はありません。ただ、「なぜ交代したのか」「なぜ今日は投げないのか」の背景を少し知っているだけで、子どもや指導者へ向ける言葉は変わります。勝つために限界まで投げるのではなく、来週も、来年も野球を続けられるようにする。そのための変更として受け止めたいと思います。
参考にした公式資料
- 全日本軟式野球連盟|2026年導入・学童部における1週間の投球数制限
- 全日本軟式野球連盟|2026年以降の学童部・少年部の大会運営変更
- 2026年以降の大会運営に係る変更点について(一覧)
- 2026年競技者必携の改訂・訂正一覧
- 学童部の投球数制限に係る競技者必携の改正
※この記事は2026年8月17日時点で公開されているJSBB資料をもとに編集しています。今後の改訂や大会独自規則により運用が変わる可能性があります。
