少年野球は引き抜き放題?移籍が無法状態でも、辞め方だけは筋を通そう

少年野球の移籍。

上を目指してチームを変える。それ自体は悪いことではありません。

もっと強い相手と野球がしたい。もっと上手くなりたい。

わかります。私も、その気持ちまで否定するつもりはありません。

でもね。

「本人の意思です」で、今まで世話になった人への説明まで消えるわけじゃない。

移籍はしていい。ただ、辞め方だけは筋を通そう。

これが、実際に移籍を見てきた私の結論です。

目次

まず、育てた側が少し嫌な気持ちになるのは理解してほしい

私も経験があります。

低学年の頃は、すぐにやる気がなくなる。練習にも気分が乗らない。

そんな子を監督やコーチ、近くで手伝ってきた保護者が盛り上げるんです。

低学年の子どもが指導者や保護者に励まされながら練習を習慣にする様子
低学年のやる気を支え、練習を習慣にする。ここには見えない苦労があります。

キャッチボールを続ける。素振りを習慣にする。試合に出たら声をかける。

簡単そうに見えますか?

いや、かなり大変です。

それが4年生、5年生になって上手くなる。プロチームのジュニア選抜でも目に留まる。

すると、突然かなり遠い強豪チームへ移籍する話が出てくる。

「全部、自分たちだけで考えました。本人の意思です」

……本当に?

そんなはずないやろ(笑)。

誰かを決めつけたいわけではありません。現場にいた人なら、話がどこから始まったのか、なんとなく分かるという話です。

その子が試合に出ている間、ベンチにいた子がいる

一人の選手が試合に出る一方でベンチから見守る少年野球の子ども
一人が試合経験を積むとき、その機会を譲った子もいます。

その子を育てるために、試合へ出した。

でも、その試合で本来なら経験を積めた別の子が、一人ベンチにいたんです。

レギュラーを奪ったから悪い、と言いたいわけではありません。競争ですから。

ただ、その子の成長には、指導者だけでなくチームメイトの時間や機会も使われている。

そこは忘れないでほしい。

移籍で少し嫌な気持ちになる人がいる。そりゃ、いるよ。

トラブルの火種を作っている側が「トラブルになるのは困ります」とだけ言うのは、少し違うと思います。

せめて、最後くらいは丁寧に挨拶しようよ。

少年野球の移籍は、なぜトラブルになるのか

  • 移籍先との話が先に進み、元チームへの報告が最後になる
  • 「引き抜き」か「本人の意思」かを外から証明できない
  • 保護者同士の噂が本人より先に広がる
  • 監督、代表、連盟役員などの力関係が絡む
  • 道具、会費、当番、登録の整理が放置される

移籍そのものより、元チームが最後に知らされるから揉めるんです。

移籍先では練習参加もユニフォームの話も進んでいる。それで最後に「実は辞めます」。

いや、順番。

建前は引き抜き禁止。でも現場の線引きは曖昧です

少年野球の移籍に関する規程と現場の違いを示す図解
全国一律ではありません。所属する連盟・支部・大会の最新規程を確認してください。

全日本軟式野球連盟は、年度内の選手等の異動を原則禁止としています。

一方で、転居やハラスメントなど、移籍制限が適切でない特別な理由がある場合は、支部長の判断で認めるという考え方も示しています。

制限の目的には、引き抜きやチームの渡り歩きによる戦力集中、移籍元の人数不足を防ぐことも含まれています。

つまり、引き抜き問題は現場の妄想ではありません。

でも、「本人が希望しました」と言われたら、最初に誰が声をかけたのかなんて第三者には証明しにくい。

本人の意思。便利な言葉です(笑)。

年度が変われば年度内移籍とは別の扱いになりやすく、地域や大会ごとの規程も重なります。

現場から無法状態に見えるのは、この隙間です。

注意:「年度を越せば必ず自由」ではありません。二重登録、移籍届、承諾書、公式戦の出場資格は団体や地域で違います。所属支部へ確認してください。

強豪チームや連盟役員がいるチームほど有利に見える

強い子が強豪へ集まる。地域事情に詳しい役員がいるチームは、話も手続きも早く見える。

それを何度も見たら、「結局、強いチームは選手を集め放題では?」と思いますよね。

ただし、根拠もなく個別のチームや役員を不正だと決めつけるのは違います。

見るべきなのは、勧誘が始まった時期、連絡経路、登録手続き、出場資格が透明かどうか。

「本人の意思です」が無敵カードみたいになっていないか。

実は、移籍したこと自体を気にしない親も多い

「上を目指したかったんでしょう」

「強いチームでやりたかったんでしょう」

まあ、それだけの話です。

でも、何も言わずに消える。元チームの悪口だけ置いていく。借りた物も役割もそのまま。

それは移籍ではなく、後始末の問題です。

移籍するときに筋を通す5つの手順

少年野球を円満退団して移籍するための5つの手順
移籍の権利と、辞めるときの礼儀は別の話です。
  1. 親子で意思を確認する。親の期待ではなく、本人が本当に望んでいるかを見る。
  2. 噂になる前に代表・監督へ直接伝える。仲のよい保護者が先ではありません。
  3. 元チームを悪者にしない。移籍を正当化するために話を盛らない。
  4. 道具・会費・当番・登録を整理する。地味ですが、ここで人柄が出ます。
  5. 最後は子ども本人から挨拶する。「ありがとうございました。次でも頑張ります」で十分です。

メール一本だけで済ませたい? 気持ちは分かります。

でも、近くで世話になった人には顔を見て伝えたほうがいい。

安全に関わるなら、円満退団より逃げることを優先していい

ここは例外です。

暴言、暴力、いじめ、ハラスメント。子どもの心身が傷ついている。

そんなときまで「筋を通せ」と我慢させる必要はありません。

記録を残し、所属支部や相談窓口へ確認し、安全を優先してください。

保護者関係が原因なら、少年野球の親同士トラブル|地雷な保護者と距離を取る対処法も参考にしてください。

筋を通すのは、子どもの将来のためです

将来、その子がプロ野球選手になるかもしれません。

インタビューで昔のチームが紹介される。

そのとき昔の仲間に、「ああ、途中でほかへ行った子ね。どうでもいいよ」と笑われたら、少し寂しいですよね。

上を目指すことは悪くない。

でも、応援してくれる人を自分から減らす辞め方をする必要もありません。

きちんと説明して、感謝して、次へ進む。それだけで「あの子なら次でも頑張れ」と思ってもらえます。

まとめ|移籍は自由。でも礼儀まで自由にしない

少年野球の移籍では、「引き抜いた」「本人が希望した」に明確な答えが出ないこともあります。

上を目指して環境を変えるのは悪くありません。

ただ、その子が一人で上手くなったわけではない。

盛り上げた人がいる。練習を支えた人がいる。試合の機会を譲った子がいる。

だから、最後は自分の言葉で伝える。

移籍はしていい。せめて、最後くらいは筋を通そうよ。


参考:全日本軟式野球連盟 規程・規則全日本軟式野球連盟 FAQ

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